ICT導入事例校レポート

武蔵野大学中学校 AI先生『atama+』を用いた個別最適学習

(2020.12.07)

お話を伺った教務部副部長 岩附先生

今回は武蔵野大学中学校の教務部副部長の岩附先生にICTの活用、その中でも同校の数学の授業で活用されているAI先生『atama+』のお話を中心にお聞きしました。『atama+』とは、AI(人工知能)が生徒一人ひとりすべて違う理解度・学習履歴・ミスの傾向・その日の集中度などに合わせ、その生徒専用のカリキュラムを自動作成し、生徒が自主的に学習を進めるプログラムです。また、生徒の集中度や学習の進捗をリアルタイムで解析、先生のタブレットへ送ることで、「AI⇔先生」との連携を可能となります。同校は2019年度の「未来の教室」(経済産業省によるEdTech等による新たな教育プログラム開発等を目的とした実証事業)のモデル校に選定され、『atama+』を導入した指導を実施しました。どのように授業に活用されているのかなどを伺い、実際の授業の様子も見学させていただきました。

インタビュー

―AI先生『atama+』はどのように活用されているのでしょうか。
中学1年生から高校3年生まで全学年が『atama+』を数学の授業で利用しています。中1および中2は、週に4時間あるうち、2時間を講義中心の授業、もう2時間を『atama+』を活用して講義の内容に準じた問題や演習を行う時間としています。同様に中3以上の学年も単位数は異なりますが、同じ形式で週2時間アプリを利用しています。『atama+』を活用する際は生徒それぞれに『atama+』が個別最適化された問題を用意してくれるので、教員は進捗を見ながら生徒にアドバイスをする形になります。個別最適化によってわからない生徒はわからない原因を特定しその部分の改善し、場合によっては、前の学年の習得できていない単元まで遡る事で、弱点を克服します。また、数学が得意な生徒はどんどん先に進むといった形で生徒それぞれの進度で学習していきます。この授業は生徒一人ひとりがiPadを用いて行っています。

―『atama+』を採用された理由について教えてください。
もともとは未来の教室事業から生まれたものになります。未来の教室でどんなふうに学校を変えていこうかというところから始まり、AI教材の中でも『atama+』が塾などで多く利用されていたことから本校でも導入してはどうかというところから始まりました。Z会エデュース協力のもと、教員のみでの先行体験などを経て、2019年度の未来の教室での実証事業が後期から始まり、その成果を受け、2020年度からは全学年導入となりました。
これまで、本校の数学において、わからない部分がどこなのかがわからない生徒や、試験が終わると試験範囲の内容を忘れてしまう生徒が多い状態でしたが、『atama+』はわからない箇所を分析・特定して学習を遡ることができるため、わからないままであったり、忘れてしまうことを防いだりすることに有効に使えています。

―生徒たちの反応を教えてください。
すごく静かに集中して取り組んでいます。『atama+』を導入してから集中力が増したと強く感じています。他にも学習を遡ることができるため、わからない原因となる部分を復習し、どうしてわからなかったのかが理解できるようになる生徒が増えました。
できる生徒はどんどん進めるようになっているので、わずかですが中学2年生の時点で高校の内容に入っている生徒もいます。得意ではなかった生徒もやっていくうちに面白くなっていって、そういう生徒はぐんぐん伸びています。AIがそれぞれのつまずきを分析し、生徒一人ひとりに合わせてカスタマイズされていく部分が個別最適学習としての成果につながっていると感じます。

―『atama+』と合わせて活用されているアプリなどはありますか。
『ロイロノート』を質問する目的で活用しています。『atama+』を利用している際の授業は生徒全員が集中しているため、教室が非常に静かになります。そうした中で声を出して質問をするのは中々難しいため、その際に『ロイロノート』を使って質問を提出箱に出して、教員がそれに返すといった方法をとっています。『atama+』には生徒の進捗状況が報告される機能があり、行き詰まってしまっている生徒がいるとアラートがでてわかるようになっていますが、自発的に質問がある場合を考えて『ロイロノート』で質問できるようにしています。声を出さずに質問のやり取りができるため、『atama+』の進捗管理の機能と併用して活用しています。

―今後の展望をお聞かせください。
『atama+』を活用してから、補習などをなくし、生徒の自主性を重視するようにしました。すると生徒も自分から質問することが増えてきており、個別最適化学習による学習に対するモチベーションコントロールが行えていると感じています。『atama+』は数学以外の教科も対応しています。他の科目からも使って見たいという意見が出ているのでそちらを今後導入するという可能性はあります。来年度以降の検討事項にはなりますが、他教科でも個別最適学習への活用を視野に入れていきたいです。

―ありがとうございました。

授業見学

今回は取材後、実際に『atama+』を活用している授業風景を見学させていただきました。生徒は皆、自分のiPadに向き合い、集中して問題を解いている様子がうかがえました。一人ひとりが違う範囲の学習を行っており、同じ教室ながら全くバラバラな進度とのことです。授業中、教員は『atama+』の進捗管理を確認しながら必要に応じて生徒のフォロー行っていました。生徒同士が意見を交わしあう協働学習の様子とは対照的ながら、個別最適な学習に適した空間が作られている様子でした。

関連記事

  1. 総合学習の時間にもICTをフル活用 玉川聖学院中等部・高等部

  2. 生徒自身がルールを作り、企画運営するICT委員会 香蘭女学校中等科・高…

  3. ICTとプログラミング教育 相模女子大学中学部の取り組み 相模女子大学…

  4. 森村学園中等部・高等部

  5. タブレット選びのポイントは「何を実現したいか」 鶴見大学附属中学校・高…

  6. 横浜清風高等学校 ICT教育取材

PAGE TOP

ICT導入事例校レポート

学校法人四天王寺学園

教育ICTキーワード

Surface Laptop SEで変化する学習用タブレット端末の選択肢

教育ICTキーワード

学習eポータルとは

セミナー情報

無料ミニセミナーのお知らせ

教育ICTキーワード

MEXCBTとは