StuDX Styleとは
GIGAスクール構想によって1人1台端末が普及し、学校の授業や学習で先生や生徒が端末を活用する機会が増えてきました。情報化が加速度的に進むSociety5.0時代に向けた「情報活用能力の育成」や子ども達1人1人に合った学びを実現する「個別最適な学び」などを行っていくためにも、学習の基盤となる資質・能力を育む必要があり、学校現場で一層ICTを活用することが求められています。
ICTの活用を今まで以上に「当たり前」にし、子ども達にとっては「文房具」、教員にとっては「教具」として、ICTを使いこなせるようになっていくことが大切です。
このような背景から、文部科学省は各設置者や学校現場の先生方に日常的にICTを活用していくイメージを持ってもらえるよう、先進的な自治体・学校の実践事例や活用方法などについて「StuDX Style」というwebサイトで情報発信しています。このサイトは文部科学省の「GIGA StuDX 推進チーム」が作成しており、「StuDX」は「学びのDX(デジタルトランスフォーメーション)」の意味を持ちます。
StuDX Styleに掲載されている実践事例
東京都千代田区立九段中等教育学校では、GIGAスクール環境と1人1台端末を活用した生徒の主体性の育成を目指しており、次のような取り組みが行われています。
- クラウドの特性を活用した学び
歴史総合の授業で行われたグループで調べたいことを選択し、スライドにまとめて発表するという活動では、生徒はグループメンバーと共にクラウド上で共同編集をしたり、グループチャットで関連URLなどを共有したりしながら学習を進めていました。また、授業時間内だけでなく、休み時間や放課後、自宅でも資料作成を行う姿が見られることから、場所を選ばずに、どこにいても生徒同士で情報を共有しながら学ぶことができるクラウドの特性を生かした学びを実現していました。 - 生徒が主体となって選び、調整し、協働する新しい学び
同校の授業では、テーマ選択や時間の使い方、コミュニケーションツールの使い方に至るまで、生徒が主体的に学びを調整できるように設計されています。
それを実現できる理由としては、生徒に学びを委ねる授業づくりとともに、生徒自身が実際に共同編集をしたり、チャット機能を使用するなどの体験を通して、クラウドの特性や活用のメリットを理解しているためです。
生徒は、「発表に向けて役割分担を自分たちで行い、クラウド上で共同編集することで補完し合いながら学べています。毎回、質疑応答も活発で、色々な視点で考えながら楽しく学べています。」話していることからも、ICTを使いこなして学ぶことで、生徒がより主体的で充実した学びを行えるようになっています。 - クラウド上の自由な参照によるコミュニケーションの促進
授業の中で活用されたシート類は、すべて参照できるようになっています。他の班だけではなく、他クラスのものも参照できるため、互いの学習の成果を自由に参照し合いながら、グループでの話し合いも深めていくことができます。
1人1台端末とクラウド上の情報共有によって、これまで以上に生徒の学びへの興味関心を引き出せるとともに、生徒同士のコミュニケーションの活性化にもつながっていきます。
(参考)GIGA スクール環境と1人1台端末を活用した生徒の主体性の育成(千代田区立九段中等教育学校):文部科学省
ICT活用を促進するヒントに
「StuDX Style」で紹介されている東京都千代田区立九段中等教育学校のように、1人1台端末やクラウドなどのICTを活用していくことで、個々に合わせて学ぶことと、協働して学ぶことの両方がより行いやすくなります。
「StuDX Style」には実践事例の他にも、学校の各場面における活用方法についても紹介されています。
「デジタル付箋を使った学習活動」や「家庭学習カードのオンライン化」、「校務分掌などの情報をグループチャットで発信」など、すぐに現場で取り組めそうな内容がたくさん紹介されています。
ICTを活用する際には、「StuDX Style」のような情報サイトから情報を集め、現場で実際に行ってみることが大切です。実際に行ってみるとすぐに出来ることと、出来ないこと、改善が必要なことが分かってきます。その試行錯誤の中で、より良い活用方法を見つけていきましょう。
また、学校全体で活用を進めていく際には外部人材の活用も大切です。ICT活用ビジョン策定やICT活用型授業の組み立て、ICTルール作成など、専門的な知識を有する外部人材とともに取り組むことで一歩進んだICT活用を進めていくことができます。
コアネットではICTの利活用に関する情報提供やICT環境整備支援、ICT活用研修を行っています。
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