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教育分野におけるWeb3.0とブロックチェーンの活用

Web3.0は、インターネットの次世代の形態を指し、分散化とブロックチェーン技術を取り入れた新しいインターネットの概念です。Web3.0の主な特徴は、データとコンテンツが一部の大企業に集中するWeb2.0とは異なり、ユーザーがデータの所有権を持ち、分散型のネットワーク上で運営されることです。これにより、セキュリティと透明性が向上し、ユーザーが自分のデータを管理し、取引を行うことができるようになります。

 

出典:経済産業省 Web3.0事業環境整備の考え方ー今後のトークン経済の成熟から、Society5.0への貢献可能性までー
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/shin_kijiku/pdf/010_03_01.pdf

Web3.0の技術的な基盤としてブロックチェーンがあります。ブロックチェーンは、取引やデータを分散型の台帳(データベース)に記録する仕組みです。取引や情報が発生すると、その情報が「ブロック」と呼ばれるデータの塊などとして記録されます。ブロックに記録された情報は、ネットワーク上の複数のコンピュータが確認する「検証」のプロセスを経てデータの信頼性を保証します。検証が終わったブロックは、過去のブロックに連結され、取引の履歴が「チェーン」としてつながっていきます。一度記録されたデータを変更するには、チェーン全体のデータを一斉に変えなければならないため、データの改ざんが極めて難しくなるため、透明性と信頼性が高いとされています。さらに一つのデータが破壊されても、別の主体が持っているデータが無事であれば、システム稼働の連続性が確保されます。Web3.0は、ブロックチェーン技術を活用することで、より安全で透明性のあるインターネットの実現をします。

Web3.0とブロックチェーンの技術が教育現場で活用されるとこのような変化が起きると考えられます。

 

  1. 学習者主導の記録管理:

    学生の学習履歴や成績をブロックチェーン上に記録することで、どの学校に行っても一貫したデータ管理が可能になります。また、学生自身が自分の学習データを管理・共有できるため、個人の学習履歴がより正確かつ透明になります。

  2. 教育認証の透明性:

    卒業証書や資格証明などをブロックチェーンに記録することで、偽造が不可能になり、雇用主や他の教育機関が正確に資格を確認できる仕組みが実現します。

  3. 分散型の教育プラットフォーム:

    教育リソースを中央の組織に依存せず、分散型で提供することで、教育の機会をより多くの人に開放することができます。これにより、教育格差の是正や、より自由な学習環境の構築が可能です。

  4. インセンティブを活用した学習:

    学習達成に応じてトークンなどの報酬を与える仕組みを導入し、学生の学習意欲を高めることができます。これにより、ゲーミフィケーションの要素を加えた学習の新しい形が可能となります。

 

Web3.0とブロックチェーン技術は、教育の透明性、効率性、そして学習者主体の環境づくりに大きな影響を与える可能性があります。これにより、教育の公平性や個別化が進む未来が期待されています。今後はこれらの技術の動向を把握し、実際の教育現場での活用を考えていく必要があるでしょう。

 

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