ICT導入事例校レポート

工学院大学附属中学校・高等学校

ICT担当 矢野先生、後藤先生、ICT支援員 柳川先生

今回は、ICT機器導入と利活用について、東京都八王子市にある工学院大学附属中学校・高等学校の事例をご紹介いたします。生徒はBYOD・BYADで個人のPCを用意し授業で活用している本校。その経緯や実際の活用について、ICT担当の矢野先生、後藤先生、ICT支援員の柳川先生にお話を伺いました。

インタビュー

― 現在高校はBYOD、中学はBYADとしておりますが、OSなどの指定はどのようにされているのでしょうか。
矢野先生:高校ではWindows端末、中学ではこれまでiPadでしたが今年からSurface Goシリーズを持ってきていただいています。中学1年はSurface、2年と3年はiPadという状態ですね。導入当初である7年前、iPadを貸与という形で運用をしていました。導入当初はどのような問題が起こるかもわからない中だったため管理を徹底した端末を使ってもらいましたが、使っていく中で検索ができない、ブロックされてしまうといったことが多くなり、授業を進めるのが困難になりました。そこでBYODとして端末を自分で用意してもらうようにしました。この時、端末利用の責任は保護者の方にお願いする運びでした。次第にiPadでは活用の面で物足りなさを覚え、BYADとしてSurface Goシリーズを用意してもらうようにした次第となります。高校生に関しては推奨品を出しつつ、BYODで自分が使える端末を用意してもらっています。本校はMicrosoft365を活用しており、教員も皆Windowsを利用しているので、Windows端末の利用率が高いですね。Macなどを使っている生徒もいますが、トラブル対応などは基本的に生徒たち自身で解決することが多いです。どうしようもなくなったら聞いてきますが、何かあっても自分で対処していますね。

― 生徒が利用する端末にどの程度の制限をかけるのかというのは利活用を考える中で非常に重要な要素かとも思います。生徒が制限なく利用していくポイントは何でしょうか。
矢野先生:本校の場合はいきなりBYODなどで端末を導入したのではなく、最初に制限をかけたiPadを導入したことで教員側の学習期間を確保することができました。現在生徒が自由に利用できているのもその期間の経験があってこそだと思いますので、結果的にはその形態でよかったと思っています。実際、利用してきた中ではトラブルも多くありました。授業に関係ない動画やゲームに利用する、貸与端末を落として壊す、パスワード忘れなどありましたが、そうした中で教員、生徒ともに学習していった結果、少しずつトラブルは減っていきました。ただ動画を見ているといってもYouTubeで学習動画を見ているようなこともあり、動画を見ることすべてが駄目なわけではないという考えにもつながりました。そうした対応を一番してくれたのがICT支援員の柳川先生ですね。

― ICT支援員の方がいらっしゃると先生方への負担もだいぶ軽減されるかと思います。ICT支援員はいつ頃からいらしたのでしょうか。
柳川先生:iPadの導入と同じタイミングでICT支援員として勤務をはじめ、現在まで専任として7年間続けています。ICTを使っている中で普段の先生のちょっとした発言からすぐに活用のアイディアにつなげられるので専任としての強みがあると思っています。また、機材やツールの導入にあたって、何故そのツールの必要があるのかというのを主に事務方に説明するのが非常に重要だと思っており、その説明などにも一役買っていると思います。
矢野先生 教員からすると非常に心強い存在ですね。

― ツールなどの導入にも支援員の方が活躍されているのですね。実際にツールなどは何を利用されているのでしょうか。
矢野先生:基本Office365を使っています。PIL×PBLという形で授業をしているので、発表であればPowerPoint、文書の作成ならWord、情報共有ならOneNote、OneDriveと、基本Office365のものをフル活用しています。そのほかのアプリではロイロノートや教員と生徒間でのコミュニケーションツールとしてEdmodoを使用しています。科によってはAIスピーカーを利用しているところもありますね。現在はデジタル採点の導入についても検討が進んでいます。

― そうしたツールや端末の導入や活用にあたって反対意見などはあったのでしょうか。
後藤先生:非常にありましたね。そういった人のことを考えて、何故使ってくれないのか、どうやったら使ってくれるのかということを考えていました。操作の難易度であったり、授業のイメージのしづらさだったり様々考慮をして、あの手この手で取り組んでいましたね。
柳川先生:先生同士の横のつながりで広まっていった感じですね。
矢野先生:便利と思わないと使わない、といわれたこともあって、いかに便利だと感じてもらうかが準用だと我々も学びました。これは先生だけじゃなく生徒も同じですね。

― 生徒のタブレットの活用状況はいかがでしょうか。
柳川先生:Edmodoでそれぞれの活動用の掲示板を作っているのですが、子どもたちはそこに写真や連絡など上げるのが癖づいています。
矢野先生:子供たちが自分たちで活動用のExcelファイルをつくって更新をしていて、それを見たらいいねをするなど積極的に利用しています。端末でメモを取って、それをそのままEdmodoに上げて共有するなど、情報共有が早いです。他にもSharePointを連絡ツールとしても活用しています。SharePointで月々の予定を入力できるようにしており、コロナ禍でたびたび変わる予定もすぐに変更がチェックできるようにしていました。検温なんかも同じようにチェックできるようにしています。

― 授業での活用はいかがでしょうか。
矢野先生:私は数学を教えていますが、小テストとしてFormsを活用しています。朝に小テストをするのですが、子供たちはもうPCを用意して待っているくらいです。結果もすぐに出てきて、どこを間違えたかも出てくるのでレスポンスが早いです。丸つけの必要もなくその場で平均点や最高点を伝えることができます。他の授業でも同様にされている先生がいますね。
後藤先生:採点の必要がなく、名前の書き忘れなどもないのでその場で全部終わる簡単さがあって利用している先生が多いです。
柳川先生:ツールの活用については、先生同士気軽に話し合うような感覚で研究できるよう人数を増やすことも意識しました。具体的にはMicrosoftの認定教育イノベーターの資格などを先生たちで取るように働きかけました。

― 資格取得を目標としたんですね。具体的に何名くらいの方が取得したのでしょうか。
柳川先生:現在13名ほど取得をしています。目標をつくりながら教員全体で取り組んでいくことで行く形がいいと思っていて、具体的な目標として認定教育イノベーターを設定しました。Microsoftの称号というのも特別感があっていいと思いますし、ノベルティももらえるので楽しく取り組めてると思います。資格取得に向けて取り組む中でイベントやワークショップも実施したり、授業でこんな風に使った、次はこれを利用してみようと活用について深めることができました。Microsoftの認定スクールを目標に、引き続き取り組みを続けていきます。

― ありがとうございました。

※Microsoftの認定教育イノベーター
教育現場におけるテクノロジー活用を先導する教育者が集まり、マイクロソフトとともに新しい教育を作り出すコミュニティであり、マイクロソフト公式のプログラムです。
Office 365 Education を中心とした教育活動を、ほかの教育者へ発信・共有することを活動内容としており、資格の取得にはトレーニングの受講と授業への活用事例の紹介などが必要になります。

デジタルクリエイター育成同好会の様子

お話を伺った後、活動中のデジタルクリエイター育成同好会の様子をのぞかせていただきました。3Dプリンターを使ったモデリングをはじめ、プログラミングや動画編集、デザイン・イラスト、マインクラフトなどさまざまな創造的活動を行っている同好会です。訪問した際にはマインクラフトを利用するチーム、3Dプリンター利用するチームなどに分かれて取り組んでいました。プロジェクターを利用して紹介動画を流していただいたり、3Dプリンターを利用した作成物などを見せていただきました。生徒が自由に活動しているのが分かり、まさに創造的活動を行っていました。

インタビュアー:川田脩平(コアネット教育総合研究所 新教育推進室)

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