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ゲーミフィケーション

ゲーミフィケーション(Gamification)とは、ゲームメカニクスおよび体験デザインを駆使し、人々が自身の目標を達成できるよう、デジタル技術を利用してやる気にさせ、動機づける方法です。

ゲーミフィケーションの普及

 ゲーミフィケーションは2010年代ころから使われるようになった言葉です。
 例えば、いまや国民的ゲームともなっている「ポケモン」はゲーミフィケーションの代表例です。現実世界を歩き回ってポケモンを捕まえる「Pokémon GO」は多くの人がご存じだと思います。
 このゲームは、町の中を歩いてポケモンを捕まえるというわかりやすいゲームながら、世界中の人が屋外に出て遊ぶきっかけともなりました。ゲームで楽しく遊べば遊ぶほど健康になっていくこのシステム。多くの人が熱中し、多くの人に影響を与えました。

ポケモン GOの「楽しさ」は体も心も動かす(くらし研究|花王)

 最近ではポケモンと一緒に睡眠リズムを整えられる「ポケモンスリープ」も発表されました。枕元にスマホを置いておいて眠るだけで、睡眠時間の規則性と長さを計測することができます。計測するごとにポケモンの寝顔も集めることができ、楽しみながら睡眠リズムを作ることができます。
 個人ではなかなか習慣づけるのが難しい「運動」や「睡眠時間」などの生活習慣を、楽しんでいるうちに身に着け、良い生活習慣に近づけることができるゲーミフィケーション。
 スマートフォンの普及とそれに伴ったアプリの開発によりゲーミフィケーションの範囲はますます拡大しており、教育の分野にも活用されています。

 

ゲーミフィケーションの特徴と効果

 振り返ってみると、ICTが導入される以前から今のゲーミフィケーションに近い方法を取り入れた教育方法は存在していました。
 例えば、授業中にクイズを行ったり、課題ができたらシールをもらえたり、ボードゲームで遊びながら学んだりなどの方法が取り入れられていたと思います。
 では、このゲーミフィケーションの特徴や効果とはいったい何なのでしょうか
 ここではその特徴と効果を以下の4点にまとめてみたいと思います。

1 ゲーム要素を取り入れていること
ゲーム(Game)という言葉には「遊戯、遊び、ゲーム、スポーツ、試合、勝負」などの意味が含まれています。
誰しも一度は何かに熱中し、寝食を忘れるくらい取り組んだ経験があるのではないでしょうか?
このように「楽しく没頭して」行えることがゲーミフィケーションの特徴であり、効果であると言えます。

2 自発的に参加したくなること
ゲーミフィケーションは人々の動機付けに深く関わっています。
例えば「この課題をクリアしたらレベルアップできてバッジがもらえ
るよ!」というような成長意欲をかきたてられるような設定であったり、物語(ストーリー)の中で、架空の主人公が困難な状況に立たされ、「君の力を貸してほしい!」と声をかけられたことをきっかけに一緒に課題に取り組み始めるなど、学習者の興味を引き、進んで学びに参加させることができる仕組みを持っていることが特徴です。
この時、自分でそれを行うのかどうかは行う本人が決められるので、自分で行うと決めた場合には強い動機を持って取り組むことができます。

3 目標や課題があること
ゲーミフィケーションは目標や課題が明確になっています。そのことで、学習者自身が目指す方向、行うべきことしっかりと理解した上で課題に取り組むことができます。
課題をクリアするごとにレベルアップできたり、ポイントをもらえたりもするので、学習者自身も自分の成長を実感しやすく、継続学習に繋がりやすいという効果も期待されています。

4 ルールが明確であること
トランプ遊びやサッカーなどのスポーツに明確なルールがあるように、ゲーミフィケーションにも明確なルールがあります。これは当たり前のことかもしれませんが、参加している人たちがルールという枠組みの中で課題に取り組むことで、安心安全な環境の中で集中して課題に取り組むことができます。

 

教育分野でのゲーミフィケーションの活用

 ゲーミフィケーションは様々な分野で活用できますが、教育分野では特に計算問題や漢字練習、英語学習など繰り返し学習が必要なもの、習得するのに労力と時間がかかるもので特に力を発揮されると言われています。
 例えば英語学習を例に挙げると、英語学習アプリの「トド英語」「デュオリンゴ」などは、魅力的なキャラクターと一緒に英単語や文法、発音などを学習できるアプリとして発表され、世界中の多くの人が活用しています。徐々にレベルアップしていく中で新しい学習が追加され、レベルアップやプレゼントがもらえたりすることで、学習者を飽きさせない仕組みになっています。

 また、プログラミング教育においてもゲーミフィケーションの活用が進んでいます。
 世界中の子どもたちに人気の「スクラッチ」もご存じのようにゲーム感覚でプログラミングを学ぶアプリです。
 「教育版マインクラフト」では、ものづくりゲームとして人気のMincraft(マインクラフト:通称マイクラ) を通してプログラミング教育や情報教育、協同学習を行うことができます。
 2022年4月から高校で新たに始まった「情報I」のデジタル教材にもゲーミフィケーションが用いられています。中高生に人気の「Vtuber」が情報Iの内容について動画で教えてくれたり、プログラミングを用いてオリジナルゲームを制作するなどの学習を行う中で、プログラミングを学べる教材なども開発されています。

Tech Learner

 

学習の世界にのめりこめるゲーミフィケーション

 学校現場にゲームを取り入れるとなると「教育は遊びじゃない!」「けしからん!」と思う人も一定数いるかもしれません。
 ただ、本文でも紹介してきたように、現代社会で多くの子どもたち、そして大人たちが親しんでいる「ゲーム」の要素を学習に組み込むことで得られることも多くあります。
 学習指導要領でも求められている、「主体的・対話的で深い学び」を行うために、まずは子どもたちが進んで学びに取り組もうとしたくなる環境を用意する必要があります。
 ゲーミフィケーションを用いて子どもたちがワクワク・楽しいと思えるような学習環境を作り出すことができれば、子どもたちのモチベーションも上がり、学ぶ姿勢も変わっていくのではないでしょうか?
 今後、このゲーミフィケーションは「勉強=つまらない(不快)」の図式を「勉強=楽しい(快)」に変えてくれる存在になっていくのかもしれません。まずは、今、目の前の子が楽しんで学習に取り組めているか?自ら進んで学べているのか?という視点で学びを考え直してみると、新たな視点を得られるかもしれません。

参考サイト・参考資料
日本ゲーミフィケーション協会HP 
ブライアン・バーク「GAMIFY」
藤川大祐
「アクティブ・ラーニングとゲーミフィケーション ―『主体的・対話的で深い学び」のデザインに関する考察』」
「ゲーミフィケーションを活用した『学びこむ』授業の開発」

 

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