(2020.12.10)
実践女子学園中学校高等学校
ICT機器・EdTechの活用で生徒の可能性を広げる
今回は、ICT機器導入、EdTEch利活用について、東京都渋谷区にある実践女子学園中学校高等学校の事例をご紹介します。
数年前からICT機器導入のロードマップを作成され、今年度から生徒1人1台のタブレット端末導入されています。ICT導入計画に沿ってしっかりと対応されていたため、コロナウイルス対策による休校対応もスムーズに進められていました。
通常の学校生活に戻りつつある現在、どのようにICT機器やEdTechを活用されているのか、ICT推進委員会の小川先生、萩野先生にお話しを伺いました。
インタビュー
―ICT機器導入について、どのように進められたのか教えてください
2015年に、ICT推進委員会にて3か年のICT導入ロードマップを作成したのがスタートです。2016年より電子黒板やタブレットを教室に導入して活用が本格化し、その事例をふまえて生徒に最適なICT環境を検討していきました。2020年より、生徒1人1台のタブレット端末整備を開始しています。
生徒1人1台のタブレット端末については、学校で推奨機種を示してはいますが、BYOD形式で導入しました。生徒、ご家庭で自主的に管理していただいている状況です。
―導入を進められる上で気をつけたポイントはありますか?
ICTの技術は日進月歩で進んでいくので、検討している途中で新たなシステムが開発されたりゴールがぶれてしまうことがあります。ロードマップの中身も適宜更新しつつ、導入する際は一気に進めるという決断力が重要だと思います。
また、教職員に「こう使わなければダメだ」という強制をすることなく、「このように使える」という提案や事例共有を行い、無理なく、やらされ感のない形で導入を進めました。
―今年は新型コロナウイルス対策の休校対応などあり、タブレット端末導入や活用についても多大なご苦労があったと思います
導入ロードマップに沿って、ICT機器や各種EdTechツールの教職員研修を行っていたので、混乱は少なかったです。GoogleClassroomを活用した情報共有や授業動画配信についてはオンライン研修も実施し、システムの利用方法や活用事例の共有など対応していきました。2019年よりスタディサプリを利用しており、個別学習も充実させることができました。
コロナ渦にあって、教育ICT活用について教職員側の受け止め方もよりポジティブに変わってきたことを感じています。生徒については大人よりも対応力があり、大きなトラブルはありませんでした。
―通常授業に戻ってからの活用状況はいかがですか
GoogleClassroomを活用した資料の配信などの情報共有や、生徒・保護者へのアンケート、コミュニケーションについては、休校対応で慣れたこともあり、順調に活用が進んでいます。ロイロノートを9月から利用を開始し、協働学習の分野についても活用が進んでいます。授業中に中々発言できなかった生徒の考えを引き出すことができたり、より細やかなコミュニケーションが取れるようになってきたと感じています。
個別の科目については、数学では朝学習にてスタディサプリを活用した小テストを実施しています。採点や集計業務が効率化されたおかげで、生徒対応などに時間をかけられるようになっています。また、生徒も小テストの結果が可視化されたこともあるのか、意欲的に取り組んでくれています。
今は生徒が興味を持ってタブレット端末やEdTechツールを扱ってくれていています。文化祭でも、生徒達が自発的にタブレット端末を活用している姿がみられました。
―ICT機器やEdTech活用について、今後の展望を教えてください。
社会が変わり、世の中が求める力が変化したことで、大学入試も変化しています。中学校や高等学校でも、「大学に入るための学習」だけを行うだけではダメで、今後は学び方や評価を変えていかなければならないと考えています。そのために、ICT機器やEdTechツールは親和性が高いと思います。
具体的な評価においても、ペーパーテストだけではなく、クラウド上に蓄積した学習履歴や小テストなどのデータを活用して、主体性や取り組み方、過程も評価していければと考えています。
―貴重なお話をありがとうございました。