「EdTech(エドテック)」とは、「Education(教育)」×「Technology(技術)」の造語です。ITの力を活用して既存産業に今までにない新たな価値や仕組みを提供することを指す「X-tech(クロステック)」の一つで、教育領域にイノベーションを起こすビジネス、サービス、企業などの総称を指します。
近年、特にコロナ禍による休校対応やGIGAスクール構想の促進による公立学校への端末普及の影響によって、「EdTech」はより注目されるとともに広く認知されることとなりました。多くの学校で端末を「導入」するフェーズから、端末を「活用」するフェーズへと移行している今、「EdTech」の活用の重要性が増しています。
学校教育における「EdTech」活用は、学習面と学校経営面の2つがあります。まず学習面でいうと、オンライン学習(e-learning)を含めて「ブレンディッド・ラーニング」という概念にまとめられます。「ブレンディッド・ラーニング」は、児童・生徒の主体性を活かしたe-learningと学校における集団授業がブレンドされた学習形態を指します。具体的なイメージとしては、家庭や授業の一部で個別最適(一人ひとりに合った学び)となるe-learningで効率的に知識を身に付ける学習をし、学校の授業の多くは集団授業で探究学習をするということです。e-learningでの個別最適学習の例としては、映像授業配信サービスや学習アプリによる個別学習、クラウド配信サービスを活用してのオンラインでの資料配信などが挙げられます。
集団授業での探究学習における「EdTech」は、児童・生徒が調べたり、まとめたり、分析したり、共有したり、発表したりする際に情報端末を使うという形で活用されます。「EdTech」を活用した個別最適学習で知識を効率的に身に付け、「EdTech」を活用した探究学習で思考力・判断力・表現力等の多様な資質・能力を身に付ける、この2つがうまくブレンドされた学習が今求められています。
企業経営にいまやテクノロジーが欠かせないのと同様に、学校経営においてもテクノロジーは不可欠です。特に、学校には何百人もの生徒が日々学習したデータが蓄積されていきます。今はそれを捨ててしまったり、蓄積したとしても活用ができていないのが実情です。これからはAI(人工知能)を活用したデータサイエンスにより、蓄積した膨大な子どもたちの学習データを分析し、より良いカリキュラムを考え出したり、児童・生徒一人ひとりに合わせた学習方法のアドバイスをしたりできるようになります。これは学校での学びをがらりと変える可能性を秘めています。
学習面と学校経営面、二つの面から「EdTech」の活用を考え、新しい時代に適した教育を目指していきましょう。
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