企業取材レポート

成績向上にAIをどう使うか 『Monoxer(モノグサ)』

今回は2021年7月20日に開催したコアネット教育総合研究所主催のセミナー「個別最適な学びをいかに実現するか」にご登壇いただいたモノグサ株式会社の代表取締役CEO竹内孝太朗氏のお話を中心に、AIを活用した個別最適学習についてお届けします。

『Monoxer(モノグサ)』とは

モノグサ株式会社が提供している『Monoxer』は、AIを活用した記憶定着のための学習アプリです。学ぶべき内容を自動的に問題形式に直して、学習者がタブレット端末で解き続けることができるようにするサービスで、記憶の定着度を可視化することができます。AIが難易度を調整し学習者に合った問題を出すことで記憶定着の効率化を図ることができます。また、覚えるべき期限を設定してその間に繰り返し出題させることで、テスト等までに確実に定着させるような特長を持っています。

成績向上にAIや機械をどう使うか

『Monoxer』のようなAIや機械が成績向上に寄与するのかどうかを[理解]、[定着」、[活用]という学習過程に分けて考えてみましょう。学習過程とは、分数の計算を例にすると、「分数の計算手順を説明できる」のが[理解]、「分数の計算が素早く行える」のが[定着]、「初見の問題で分数の利用を思いつく」のが[活用]です。

まず、[理解]の段階で機械が寄与できるかを見ていきましょう。 理解をする上で必要な手助けとなるのは「たとえ話」です。分からない問題に対して別の事柄に置き換えて説明することで理解につながりやすくなります。しかし、機械は「類推」ができないため、問題をたとえ話で解説することはできません。人間が機械に指示してたとえ話を生成することはできますが、その場の状況に応じて機械が勝手に類推してたとえ話をすることはできません。つまり、この点では機械は人間にかないません。[理解]の段階においては、機械が寄与できる余地は少ないでしょう。もちろん、機械を使うことによってコストを削減する効果はあります。この段階では、あくまでコスト削減を目的とした機械の活用になるでしょう。

[定着]の段階では機械が活用できる

次に[定着]の段階についてです。定着とは「理解したことを素早く出力できる状態」です。素早く出力する状態にするためには“記憶する”しかありません。記憶のための効果的な方法は、取りも直さず「問題を解くこと」です。効果的に問題を解くためには、適度な難易度の問題を作成し、その採点を行い、忘れないために定期的に行うことが大切です。この過程においては、適切な誤答選択肢の生成、正誤予測による難易度調整、音声認識や手書き文字認識を用いての高速での採点、忘れた頃への定期的な反復などが重要で、この点においては機械を利用する優位性があります。つまり、[定着]段階においては、人間より機械に分があるということです。問題の生成についてはコスト削減効果が主ですが、難易度調整、採点、反復という点においては、機械を活用しなければ簡単には実現できないことだと思います。

最後に[活用]の段階についてです。活用において必要となるのは、「試行錯誤」です。初見の問題を作成し、それを生徒に配布し、試行錯誤させ、採点をするという流れが想定されますが、この部分について機械の活用は難しいです。配布や回収といった面で協働学習ツールが活用されることはありますが、[理解]段階と同じくコスト削減を中心とした活用が主となっていると考えます。やはりこの段階においても機械が成績向上に寄与しているとは言えないでしょう。

以上見たように、現時点では、機械は[定着]の分野においてのみ、成績向上の効果を見込めると考えます。一方でコスト削減の観点は直接成績向上に寄与するわけではありませんが、金銭面を理由にこれまでできなかったこともあるはずですので、AIや機械の利用がまったく意味がないということはありません。ICTツールの特徴を把握し、使い分けながら、生徒の成績向上にICTツールを活用してはいかがでしょうか。
 


 

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