ICT活用事例校レポート

大妻中野中学校・高等学校

 今回は2022年7月7日に実施した「ICT活用型授業の実践セミナー」の内容から、大妻中野中学校・高等学校より高村亮先生、平野恵先生のお二方にご登壇いただいた部分を中心に抜粋してお届けします。

 大妻中野中学校・高等学校は早い段階での1人1台での活用をしている学校です。2021年からはBYOD形式での導入をしている同校では、STEAM、探究、プログラミング授業など新たな学びのカリキュラムを実践しており、それらにもICTを役立てています。

 2018年には全生徒1人1台所有となっている同校。2021年度からは海外留学の増加や転編入生の対応、修理対応の迅速化、各家庭でのメンテナンス意識を持たせることを目的に仕様を指定するBYOD形式へ変更。教員ももちろん1人1台学校貸与ノートPCを利用しており、教務用端末は有線、授業用端末は無線といった形でセキュリティを考慮した環境を構築しています。また、1人1台持ち込みPCの利用も許可しています。

 ICT機器を文房具として使えるように取り組みを進めてきた同校。
 現在はタブレットPCが机上にあるのは普通の光景になっており、タブレットPCが必須でない授業でも活用する生徒が見受けられます。授業中はもちろん授業外でも積極的な活用がなされており、ICTは当たり前のものとして利用されています。

 教員間での連絡にMicrosoft Teamsを活用しているほか、生徒間でのチャットとしてロイロノートは中学で利用がされており、クラス内での連絡や通知等に活用されています。こうした情報共有としての通常の利用の他、今回はコロナ禍によるオンライン授業などを経て、得た知見からの活用について紹介いたします。高校ではロイロノートを、生徒の個別質問対応に活用しています。コロナ禍の影響で下校時刻などの制約がある中でも生徒の質問に答えられるよう、ロイロノートを使うことで教員に直接質問をできる環境を整えています。
 コロナ禍の際に多く作成された動画コンテンツも、授業動画として配信をしています。コロナ禍の際、動画を作成した経験を活かすことで、教員が単元の導入、問題解説やよくある質問の返答を動画で作成し、反転授業や復習で利用しやすいよう配信、授業時間の効率化などに役立てています。

 コロナ禍を通して生徒・教員共にICT機器の習熟度が高まったこともあり、探求授業にもICTを活用しています。高校1年生のアドバンストコースの例では、総合的な探究の時間の取り組みとして、PISAの過去問よりデータの見方についての考えをロイロノートで共有、他の人の考えを知ってより深めるということを行っています。
 STEAM教育の面でもWebでプログラミングが学べる「Progate」を下記課題にするほか、課外活動としてSTEAMをテーマにS-TEAM(エスチーム)が活動しています。S-TEAMの主な活動事例は以下の通りです。
 ・電通大高大連携基礎プログラミング
 ・中高生情報学研究コンテスト(情報処理学会)
 ・NICTオープンハウス「学生による動画セッション」
 ・西東京国立三大学(東京外国語大学、東京農工大学、電気通信大学)高校生グローバルスクール

 その他、授業外での積極的なICTの利活用として、情報共有などを中心に部活動や職員会議などに利用されています。Zoomを活用し、生徒総会などを一か所にとどまらず実施し、投票などもオンラインで実施するなどオンラインで行える部分は積極的に取り入れています。

 こうした活用の幅を広げてきた背景には、取り組みを広げるための工夫があります。アイデアを発信するチームとしてProject Management Teamという少人数グループを作り、個々の取り組みを事例として発信することで全体の活用を促すようにしました。少人数のチームだけでなく、不安なところを相談できる体制を、学年や教科の範囲でもやってもらうなどチームだけの動きにならないよう工夫をしています。このような取り組みによってICTの活用が自然と深まっているといえます。

2022年8月20日(土)に開催されるコアネット私学教育フォーラム2022にて、ICT・EdTechを活用した授業実践をテーマにした事例研究セミナーを開催します。
詳細は以下の特設サイトよりご覧ください。
コアネット私学教育フォーラム特設サイト

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