ICT活用事例校レポート

森村学園中等部・高等部

(2021.5.10)

森村学園中等部・高等部

ICT教育推進部部長の河合優次先生

今回は、ICT機器導入と利活用について、神奈川県横浜市にある森村学園中等部・高等部の事例をご紹介します。2020年4月に高校1学年導入開始後、同年の9月に中学校全学年への導入し、来年度には全学年の配備が完了する本校。その経緯や実際の活用について、ICT教育推進部部長の河合優次先生にお話を伺いました。

インタビュー

―ICT機器導入までの経緯を教えてください。
2017年の11月に学園としてICT環境を構築すべきという方針になり、2018年の4月からICT教育について研究を行う部署を立ち上げました。1年間は各部員がICTについての研修や講習会に参加したりして研究を進め、結果としてPC本体とアプリ関係の選定の必要性を感じましたね。そうした研究を経て、2019年には共用PCを100台入れ、2020年に1学年導入、2021年から全学年使用という計画を立てました。機器の選定にあたっては、2018年の夏ごろに教員用にiPadを10台ほど購入しましたが、普段使い慣れていないこともあり操作に手間取る点と、キーボードが小さいため操作に適さないという点で見送られ、当時出て半年ほどのSurface Goで行こうという流れになりました。教員用PCの入れかえも検討していたので、生徒向けPCとの親和性も考えて、2019年に向けて教員機もSurfaceに変更する動きとなりました。共用PCとしてのSurface Goを9月に導入し、実際の使い勝手に問題はなかったので、2020年の高校1年生へのSurface Goの導入が決定し、それに向けて動いてきました。4月導入後、コロナ禍の影響もあって2021年の全学年導入の計画を早める必要があると感じ、9月に中学生全学年にSurface Goの後継のSurface Go 2の導入をしました。

―実際に導入してからいかがでしょうか。
教員はMicrosoftのOffice系列など今まで利用していたものなので、順調に利用が進んでいるかと思います。職員研修を実施し、ICT活用することで便利になることの事例などを共有する場を設けるなどして活用を深めている状態です。授業研究の時間のある先生が活用をどんどん進めている状況ですね。
生徒の方はというと詳しい生徒は本当に知識があって、導入してみてわかる使いづらい部分などこうしたほうがいいというような改善の意見をもらったりします。教員と生徒それぞれから改善していく部分を共有して、次年度以降より良い環境を作れるようにという形にしていったところ、知識のある生徒を中心に積極的に意見をもらえています。

―休校対応中などの活用はいかがでしたでしょうか。
休校の期間中はMicrosoft Streamを利用して授業動画を投稿したり、課題を配布したりしていました。授業動画は実際に作ったうえで教員の方々に方法を展開、1動画が長くなりすぎないようになどの注意点を説明し、その後は教員ごとに作成をしてもらいました。休校対応が明けた後も理科の実験動画などをアップして活用するなどしていて、休校対応で特に活用が深まった方と思います。

―授業以外での活用などはいかがでしょうか。
Teamsをはじめ部活動で活用されています。特にサッカー部は非常に活用していますね。自分たちの練習風景や試合風景を動画で撮って分析をして、分析した内容を動画の中に線を入れるなどして書き込んで共有するなどして練習にフィードバックしています。目標としていた大会にも優勝するなどして結果にもつながる活用になっていると感じています。

―今後の展望をお聞かせ下さい。
今後の課題として、できる人はどんどん活用進めて、他の人はその便利さを見て自分もやってみたいという流れにしていく必要があると感じています。できる先生の活用は進んでいるけれど、それ以外の先生はできる先生に任せっきりということのないように活用に取り組んでいきたいと思っています。また、コロナ禍の影響もあって生徒に対して十分な説明時間を作ることができなかったこともあって、タブレットPCを活用することへの意識の差が出ているので、気づいたら普通に活用できているレベルまでもっていきたいと思っていますね。

―貴重なお話をありがとうございました。

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