企業取材レポート

プログラミング教育を楽しむ『Codeland』


プログラミング教育の小・中・高の段階的な必修化も進み、共通テストで情報Ⅰの出題が迫る中、改めてプログラミング教育の意義を見失わないように取り組むことが重要となります。今回は小学生・中学生・高校生向けのオンラインプログラミングスクールとして、生徒とのマンツーマンレッスンを行っている株式会社プロキッズのCEO原 正幸氏にオンラインプログラミングスクール『Codeland』についてお話を伺いました。

株式会社プロキッズ
CEO原 正幸氏

NECでのシステムエンジニアとしての活動やBIGLOBE にて事業立ち上げを経験した後、独立。大手企業の新入社員教育を行いながら、子どもの誕生を契機にプロキッズを設立。現在は、国立名古屋工業大学の非常勤講師や一般社団法人日本ゲーミフィケーション協会の理事も務める。社長賞複数回受賞経験、IT 資格多数取得。

Codeland by PROKIDS

 

インタビュー

―『Codeland』について特徴を教えてください。
『Codeland』は小学生・中学生・高校生を対象とした、オンラインプログラミング教育サービスです。特徴としては、一つ目にコロナ禍以前から、世界どこにいてもオンラインで学べるようにしている実績です。オンラインで学べるということで、日本全国をはじめとして海外の生徒にも利用していただいております。二つ目にプログラミングのコースが多岐に渡っていることです。Scratchはもちろん、Python、UnityやJavaScriptなど大人でも難しい内容まで子供の興味を重視したカリキュラム開発を行っております。三つ目にマンツーマンでのレッスンを行っていることです。生徒一人一人の学習の理解度やモチベーションに寄り添った学びを重視して行っています。毎週、もしくは隔週でコースに応じたレッスンを行っています。最近は、夏休みなどの期間に集中的にスキルアップをしたいという強いご要望もあり、短期間実施するなど柔軟な対応もしております。コースとしてはScratchの人気が高く、最近ではPythonやUnityの受講者がどんどん増加してきています。

 

―マンツーマンでの指導について教えてください。
マンツーマンでの指導は、毎回同じ先生が1回50分のレッスンを行います。受講前に保護者の方に事前にアンケートを実施しており、それぞれの生徒の学習のゴールや目標を確認しています。資格を取得したい、人工知能などの社会に出た時に役立つスキルについて学ばせたい、今の子供の興味を重視したいなど、それぞれのご家庭にあった指導を心がけています。
先生が教えているときに一番重視しているのは、答えを言うのではなく、考え方を伝えることです。分からないことがある時に、こうすればいいと答えを教えるのではなく、寄り添って一緒に考えることで、自分で考える力が身につき、問題解決力が上がっていくためです。この点はマンツーマンでの指導だからこその強みになります。自己解決力を身に付けてもらうために教えすぎないということがポイントになっていると思います。

 

―共通テストで「情報Ⅰ」の科目の出題が迫るなど、プログラミングなど注目を集めています。「情報Ⅰ」についてどのようにお考えでしょうか。
2025年の共通テストで「情報」が加わる中で、どんな問題が出るのかなど不安に思っている方々も多いと思います。教材こそあるものの生徒の力を測定する問題集が少ないため、困っているというお声もいただいております。そこで、IT教育専門家である我々が貢献できるのではないかと考えております。

 

―学校との取り組みはそれ以外にどのようなものがありますか。
プログラミング教育をするにあたって、プログラミング教育の意義や楽しさというものが全く生徒に伝わっていないという相談もいただくことがあります。そこで、プログラミングを楽しんでもらうために興味を惹くイベントを数多く開催しておりますので、その中の厳選されたコンテンツを実施することも行っています。カリキュラムに影響がない範囲というご要望もございますので、夏休みなどのタイミングで実施するなどの対応も可能です。
また、学校の先生の負担軽減として部活動のサポートも行っております。愛知県の豊川高校では、Unityでゲーム開発を教えていますが、質問しやすい雰囲気の中で、自主性を育てています。また、学校外との繋がりも重要であるため、他の生徒とのオンライン発表会にも参加してもらっています。

 

―実施しているオンライン発表会について詳しくお聞かせください。
年に1回、「Codeland Challenge」という発表会をオンラインで行っています。この発表会では、自分で考えたアイディアを先生に支えてもらいながら、プログラミングで実装したものを発表してもらいます。誰でも他の生徒の発表を見ることができるので、例えばUnityコースの子がPythonコースの子の発表を見たりします。それがきっかけで次に学ぶコースとして、興味を持つ子もいます。日ごろの学ぶ授業というスタイルから、自分で何を作りたいかを考えて作り上げるプロセスは子供の成長にとって必要不可欠だと考えています。こう言った取り組みは、プログラミングを通して、主体性、問題解決力などの非認知能力を身につけてもらうことを重視しております。

 

―プログラミング教育についての考えをお聞かせください。
人工知能などが急速に発達する中で、ITというものは今の子供たちにとって当たり前に身近にある存在になっています。プログラミングなどのITは何かしらとの掛け算で成り立っているものです。スマート農業のような「農業×IT」や「エンターテイメント×IT」など、人々の生活を豊かにするためにITが活用されています。このように様々な分野で活用されるITを学んでもらうためには、子供の興味に寄り添いながら成長をサポートすることが重要です。プログラミングをはじめ、学習にはモチベーションが非常に重要です。そのためにゲーミフィケーションなど様々なモチベーションを高める取り組みにも注力しており、micro:bitを使ったプログラミングと謎解きを掛け合わせたイベントを実施するなどしています。そのような、プログラミングに興味を持つきっかけを、これからもどんどん生み出していきたいと思います。

 

―ありがとうございました。

 

取材後記
プログラミング教育の取り組みの中に、子供たちのモチベーションを高める要素を取り入れていくという点が非常に重要と思われます。しなければならないからプログラミング教育をするのではなく、したいことのためにプログラミングを役立てるという考えが必要だと改めて感じました。

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