CBTは印刷物を使用する試験と比較して、文章や写真に加えて動画や音声による出題が容易になります。受験者ごとに問題や出題順が異なる試験を実施することも可能です。また、音声による回答や問題ごとに回答の制限時間を設けることが可能となり、試験の幅を広げることができます。また、採点や試験結果の公開などの作業をデジタル化することで効率化・省力化を図ることができます。
既に英検やTOEICなど多くの資格試験でCBT形式が導入されていますが、大学入試においても推薦試験などから徐々に導入が進んでいます。先進的な事例として、佐賀大学で平成29年度より実施されている推薦入試のシステムを紹介します。
佐賀大学のホームページより引用
https://www.sao.saga-u.ac.jp/admission_center/reform/cbt/
「基礎学力・学習力テスト」(平成29年度より推薦入試Ⅰで導入)
各教科・科目の教科書に掲載されているような基礎的な問題を一定数出題し(例えば,10問)、択一式で解答を求めます。すべての問題を解き終わった受験生は自動採点を行い、採点の結果,間違った問題については、それぞれの正答と解説文が提示されます。
受験生は解説文を読み、なぜ間違ったのか、どのように解けばよいのかを学習(理解)したうえで、類題である「再チャレンジ問題」に進むことができます。この「再チャレンジ問題」に正答すれば、一定の「学習力」が備わっているものと評価する仕組みです。つまり、即時採点と解答手順の制御というCBTのメリットを活かした基礎学力と学習力を確認するテストです。
GIGAスクール構想の成果として、公立の小中学校への一人一台のタブレット端末整備がほぼ完了しました。公立高校についても、主にBYOD形式による端末導入が始まった地域も散見されます。私立学校も含めて、ICT端末に慣れ親しんだ児童・生徒が増えることで、CBT形式の試験を導入するハードルは低くなっていきます。今後は定期テストなどの学内試験はもちろん、大学の一般入試や中学・高校入試においてもCBT形式の導入が本格的に検討されていくでしょう。
CBT形式の試験は、従来のペーパーテストでは測りきれなかった様々な資質能力を評価できる可能性を秘めています。ICT環境整備が進み学びの形が変化していけば、試験・評価の形も変化していくのも必然といえるでしょう。
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