(2020.6.15)
2020年3月に株式会社SRJからリリースされた『TERRACE』は、情報処理力向上を目指す速読トレーニングを中心に「読解力」、「思考力」を鍛えるトレーニングなど基礎学力を効率的に向上させるコンテンツを搭載する自立学習型能力開発システムです。
今回は株式会社SRJに訪問し、ゲーミフィケーションのデザインを取り入れて「もっと続けたくなる」トレーニングを提供する『TERRACE』について、事業部担当者よりお話を伺いました。
―『TERRACE』はどのような特徴があるのでしょうか。
『TERRACE』はICT教材のプラットフォームのサービスとして提供しています。『TERRACE』を導入していただくことで、その中で速読についてはもちろん「読解力」、「思考力」など今求められる能力のトレーニングを一つのシステムで取り組んでいただくことができます。教科によってサービスを提供するのではなく、速読解力講座、思考力講座といった能力ごとに講座が用意されています。教科学習の成果をさらに底上げすることを目的とした能力開発の教材というのが大きな特徴です。
またトレーニングを継続できる仕組みとしてゲーミフィケーションを取り入れています。自発的に継続するきっかけとして、ゲーミフィケーションに基づいたUIデザインや、今後は対戦機能などの搭載も検討しています。そうした楽しく勉強を続けるための仕掛けを取り入れたUIの他、学校の授業などに適したスタンダードなUIも用意しており、それぞれの受講環境に合わせて選んでいただくことができます。
ゲーミフィケーションが取り入れられた画面(左)とスタンダードなUI(右)
受講環境に応じて変更ができる。
―『TERRACE』はどのような形で利用いただいているのでしょうか。
いわゆる教科学習の効果を高めることが目的なため、各教科の授業前後のトレーニングとしての活用が主になります。そのほかには総合学習や朝学習の時間でも利用されています。また、別の導入目的として、速読は目の機能を鍛えるトレーニングを行うため、その効果をスポーツに活かせるとしてスポーツ系のクラブ、部活動への導入も目立ちます。
『TERRACE』自体かなりフレキシブルにお客様に合わせて活用することが可能になっているため、一回のトレーニング時間、メニューから各学校様に合わせた利用が可能です。特定の曜日、時間のみの利用であればそれに応じたコンテンツを用意することもできます。導入目的や既存のカリキュラムに応じたサービスの利用が可能となっています。
―どのような経緯で『TERRACE』を開発されたのでしょうか。
元々当社は速読を中心としたコンテンツを提供していました。そうしたコンテンツを、学習塾に通っている子どもたちの学習での効果の向上に活用しようと考えたとき、紙ベースでは個々の成果に個別対応できない、一度の受講数に限りがある、インストラクターの力量に左右されるなどの問題がありました。そこでトレーニングのシステム化を考え、CD-ROM、WEB化という流れを経てシステム化に至りました。
また、コンテンツの中身についても元々あった速読のコンテンツを、日本の子どもたちの読解力の低下が問題になったことをきっかけに、基礎的な読解力を身につけたうえで文章を速く読み解く「速読解力」講座へとリニューアルしました。学習指導要領改訂でも取り組まれるようになった読解力、思考力、表現力を総合的に育成できるシステムを作ることを目指し、これ一つの導入で学びの3要素を総合的に学ぶことができる教育プラットフォームとしての『TERRACE』が開発されました。
―今後の展望について、お聞かせください。
『TERRACE』の普及というのが基本になりますが、読解力、思考力と合わせて表現力の講座や英語読解の講座も拡充させていきます。民間人から初めて校長を務めた、藤原和博氏が作られたキャリア教育コンテンツ「よのなか科」が表現力コースとして『TERRACE』に搭載された他、英語の長文読解、リスニングに対応した「速読聴英語講座」のリリースもひかえています。また、システムの多言語化も考えており、外国の方が日本語を学ぶためのコンテンツなども検討しています。
今後SRJが提供する商材は『TERRACE』への搭載を想定しており、教育プラットフォームとしての機能の拡充を目指します。
―ありがとうございました。