ChatGPTとは
ChatGPTのGPTはGenerative Pre-trained Transformerを意味し、大量のデータを学習することで利用者からの指示や質問に対して適切な回答を出力することができる大規模言語モデルを指します。現時点でのChatGPTは無料で利用可能な「GPT-3.5」と、有料版である「GPT-4」の二つに分かれます。昨今ニュースで話題になる内容の大半が「GPT-4」を指したものになります。一方で手軽に利用できる「GPT-3.5」についても一般的に浸透を見せています。
ChatGPTの最大の特徴は、その高度な自然言語処理能力です。利用者と自然な会話を行うことができ、それを24時間365日利用可能で時間や場所を問わずに使用できます。アイデアの壁打ちなどを中心に、考えの整理などに活用されることも多いです。また、ランダムな例題の生成なども活用しやすい内容です。
便利な一方でいくつかの注意点も存在します。生成AI全般に共通する内容ですが、高度なモデルであるGPT-4であってもハルシネーションと呼ばれる誤った情報を出力する現象が発生します。出力される情報が必ずしも正しい情報でないということは、必然的に全く知識のない分野の内容を生成する際にその真偽を確かめることが難しいということになります。
また、利用をするにあたってセキュリティやプライバシーといった点も注意する必要があります。生成AIに入力する情報が情報漏えい等のリスクにつながらないように注意をする必要があります。この点は学内での利用を認める、認めないに関わらず、個人で利用をする際にも注意の必要があるでしょう。
学習支援ツールとしての活用
教育現場での学習支援ツールとしては、例えば、生徒一人一人の質問や疑問を解消するために利用する他、出力された情報の正誤を確認するなどの利用ができます。また、生徒が自宅で学習する際のサポートツールとして使用する、生徒が理解できない問題に対して、ChatGPTが補足説明を提供するなどが考えられます。
また、ChatGPTは教員の負担を軽減するツールとしても活用できます。例えば、頻繁に生じる質問に対する回答をChatGPTで行うことでタスクを軽減することや、問題や例題の作成に利用することでも業務の効率化につながります。
そのほかにも、クリエイティブな活用においてもアイデアを出すための壁打ちなど、生徒の創造力を刺激する活動にChatGPTを活用なども考えられます。
ChatGPTは、生徒にとっての思考の補助ツールや先生にとっての業務の補助ツールとして教育現場において役立つ可能性を秘めています。利用の仕方に注意をしつつ、様々な方法への活用を検討していきましょう。
ChatGPTの活用事例
学校内での利用をする場合、学内専用のプライベートな環境で利用するという方法が考えられます。
昭和女子大学附属中学校・高等学校では学内専用のプライベートChatGPTを導入し、実際に授業で活用をしています。プライベートな環境を用意することの最大のメリットは、セキュリティをはじめとした生成AIを利用する際のリスクが解消された安全な環境で利用できる点にあります。安全な環境での利用は、利用者のリスクを軽減する他、活発な活用が可能になり、より発展的な利用につながる可能性があります。生成AIの活用の手段の一つとして検討いただければと思います。
昭和女子大学附属中学校・高等学校での活用や導入に関する内容は以下より詳細を確認いただけます。ぜひご覧ください。
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