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ASP(Application Service Provider)

 ASPとは「Application Service Provider (アプリケーションサービスプロバイダ)」の略称です。インターネット上で機能するアプリケーションを提供するサービスの提供者(事業者)のことを指し、現在ではそれが転じて事業者が提供するサービスそのものをASPと呼びます。

 ASPの特徴的な点は、簡単に、いつでも、どこでも、複数人で利用できるというものです。インストール不要でインターネット環境があれば利用できるため、導入から利用までが容易な点は大きな特徴です。完成したサービスを利用するため、一から開発・構築の必要がなく、サービス事業者が保守管理やバージョンアップを実施するため、導入の費用はもちろん維持のためのランニングコストも抑えることができます。アップデートも定期的に入るため最新の機能を利用でき、マルチデバイス対応で端末を選ばず利用できるなど組織で導入する際のメリットが多く存在します。

 一方で注意点も存在します。まずインターネット環境が基本的に必須になるため、オフライン時には利用できない、もしくは大きく機能を制限しての利用となります。また、バージョンアップやセキュリティ等の保守管理がサービス事業者側に大きく依存しているため、サービス事業者側でのトラブル等のリスクが存在します。他にもすでに完成されたサービスであるため、不特定多数のユーザーや複数の組織が利用することを前提としたサービス形態となっています。そのため組織に合わせた拡張機能といった対応はサービスによって様々となるため、導入前によく確認する必要があります。

 ASPの例としてはGmailなどのWebメールが代表的です。そのほか、ECサイトや企業向けのグループウェア、勤怠管理システム、学校向けではLMS(学習管理システム)などが挙げられます。ASPのサービスは数多く存在するため、利用の目的を明確にした上で導入を検討する必要があります。

 事業者が提供するサービスそのものを指す用語としてはSaaS(Software as a Service)とほぼ同じ意味合いになります。上述しているようにASPがサービスそのものも事業者自体も意味しているため、サービスそのものを指す場合は一般的にはいずれかで表記されますが、ASPとSaaSが同時に使われている場合は「シングルテナント」と「マルチテナント」の違いで分けて表記されている可能性があります。ASPは「シングルテナント」が一般的に採用されており、それぞれのユーザーに対して個別の環境を提供、個別にひとつの領域を独占できるため、カスタマイズ性が高いことが特徴です。SaaSは「マルチテナント」とされており、ひとつの環境を複数のユーザーでシェアするため、カスタマイズ性はシングルテナントに比べて劣りますが、コストを下げてサービス提供が可能といった特徴を持ちます。ただしこれらの内容は開発会社によって異なることをご承知おきください。

 現在、学校で利用するアプリの多くがASPになっています。これは児童・生徒が利用する端末が一人一台となったため、個々の端末にアプリをインストールすると手間が膨大になってしまうということが大きな要因です。サービスが一般的になってきた中、多くのサービスが存在しています。用途や目的、状況に合わせたサービス導入がより大切になっていくでしょう。

 

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