IoBとは「Internet of Behavior / Bodies」の略語で、「行動・身体のインターネット」などと訳される、人間の行動・身体に関する情報をインターネットに接続する技術のことです。一般的には、GPSや監視カメラ、コロナ禍における体温計測用機器などから解析される位置情報・行動履歴、webサイトの閲覧履歴等の情報収集・解析をはじめ、脈拍や心拍数、体重の変動や睡眠サイクルなどヘルスケア関連のデータ化・解析などが例に挙げられます。
教育現場においてのIoBの活用として、「センシング」という人間の行動を分析する様々なツールが導入されはじめています。例えば、オンライン授業やCBTなどPCで試験を行う際、視線の動きをAIで検知し、集中度の計測やカンニング等不正行為の監視を行うなどの実験やサービスが開始されています。また、文科省や経産省も行動・身体的なデータを含めた教育ビックデータについて、公教育で活用できるよう環境整備を進めています。
授業中、家庭学習、それぞれの場面で学習に対してどのように向き合っているのか。上記の視線の検知以外にも、スマートウオッチのような端末を身につけることで体温や心拍数などの身体的なデータを分析することが可能になります。
どのようなデータをどこまで取得するのか、子どものプライバシーの問題を検討する必要はありますが、学習の取り組み方についてデータ化して分析することで、より個人に適した指導方法を採ることが可能になるでしょう。
1人1台の端末整備が進み、授業、学校生活、家庭学習にてICT端末やEdTechツールを活用する場面が増えています。ICTを活用することで得られるデータによって、より効果的な学びを実現するサイクルを構築することが、中長期的なICT環境整備において必要になると考えています。