2022年から始まった情報Iの必修化。学ぶ内容の多さや実技の必要から情報Ⅰの授業時間内ではすべて行うことが難しい、担当教員の負担が大きいという声も聞こえています。
今回は2023年8月23日に実施した「コアネット私学教育フォーラム2023」で情報Ⅰのデジタル教材についてご紹介いただいた、エデュケーショナル・デザイン株式会社 水島 洸大(みずしま こうだい)さんのお話から、情報Ⅰの概要と「情報Ⅰデジタルドリル」の紹介をまとめてお伝えします。
プログラミング教育の変遷
日本の学校教育にプログラミング教育が導入されたのは2020年からです。
はじめに、小学校にプログラミングが導入されました。小学校の段階では教科にはせずに、各教科、例えば算数や理科、家庭、音楽などの時間に取り入れて、教科の中でプログラミングを体験し、その仕組みを知り、活用することが目的です。
2021年からは中学校でプログラミングが必修化し、技術・家庭科の中でプログラミングを学ぶことになりました。Scratchでボットを作ったり、HTML、CSS、Java Scriptを使って学校紹介のウェブサイトを作るなど、プログラミングによる課題解決を目的としています。
2022年からは高校に新しく情報科(情報Ⅰ・情報Ⅱ)が開設され、情報Ⅰは必修となりました。
現在は、AIやIoT、ブロックチェーンなどの技術を用いたSociety5.0と呼ばれる創造社会・未来社会が目指されています。これは「デジタル革新と多様な人々の想像・創造力の融合によって社会の課題を解決し、価値を創造する社会」とも言われています。
情報科では、このような社会の中で子どもたちの生きる力を育んでいかなければなりません。そのためにも情報の授業では、「問題の発見と解決に向けて情報と情報技術を適切かつ効果的に活用するために知識及び技能を身に着け、実際に活用する力を養う」ことを目指していく必要があります。
大学入試共通テストの問題例を見ていくと、情報リテラシーやデータ・画像の変換方式に関する問題や、グラフを作成する際に適したものを選択する問題、ネットワークに関する問題、そして擬似言語を用いたプログラミングの問題などが見られ、かなり広い範囲への対応が必要です。
情報Ⅰでどんな授業をすればいい?
情報は学習範囲が広く、「授業時間が足りない」「情報に詳しい先生がいない」「生徒が興味を持ちにくい」などの声がよく聞かれます。教科書で太字になっている重要単語が441単語あり、Word、Excel、PowerPoint、プログラミングの実技なども含まれていることや、AI、メタバース、ブロックチェーンなどの最新技術のインプットも必要であるため、負担に感じる先生や生徒が多いのではと考えられます。
私は静岡県のプログラミング教室で子どもたちに教えていますが、小学4年生の子がすでにChatGPTを使いこなし、プログラミングやコーディングを教えてもらう姿が見られています。反対に少しかじっただけの子はネット上でトラブルに巻き込まれたりもしてしまう様子が見られます。
授業の中で、新しい情報も詳しく教えようとすると、時間が足りなくなってしまうことが多いのも課題の1つです。授業ではそれぞれの概要を伝えるにとどめ、問題を解きながらインプット・アウトプットをセットで進めていくことが大切だと思います。
また、定期テストや共通テスト対策の問題作りに課題を持たれている先生もいます。用語問題・計算問題・実技問題がそれぞれあり、準備が大変だったり、過去問がないために問題作成に苦労する方や、高校3年生になると情報学習をする時間が無いなどの課題があります。
これらは用語・計算・実技でそれぞれ分かれている問題集を活用したり、生徒が自分で進められる教材や問題集を活用することで解決できるのではないでしょうか。
「情報Ⅰデジタル教材」について
私たちエデュケーショナル・デザイン株式会社は「情報Ⅰデジタルドリル」を作り、生徒や先生方のサポートをしています。
「情報Ⅰデジタルドリル」は情報Ⅰの全範囲を網羅しているデジタル教材です。重要語句の解説や計算問題、プログラミング実践問題、共通試験に対応した擬似言語問題を提供しています。
「情報Ⅰデジタルドリル」の特徴についてご紹介します。
- 生徒が自分で学ぶことができる
動画を見ながら情報の用語を学ぶことやリテラシーの問題を学ぶことができます。Vtuberが生徒にもわかりやすいように説明してくれるので、難しい用語も楽しく学べます。
その他にも、まるでLINEの会話を見ているかのように登場人物同士が会話しながら情報の用語を説明してくれるドリルもあり、例えば、情報とデータの違いや1次情報と2次情報の違いなどについても身近な生活と関連付けながら学ぶことができます。ドリルの最後には確認テストがあり、生徒たちが自分で学習を進め、定着させることができます。 - 柔軟で使いやすい教材
教材の進め方は自由に決めることができます。授業は普段通り行って、問題を解く際は「情報Ⅰデジタルドリル」を使って解くなども方法もでき、共通テストの対策として使用することができます。
また、インプットだけでなく、プログラミングでゲーム作りに挑戦するなどのアウトプットの学習も可能です。学んだことを生かして実際に作って動かしてみるという一連の学習をこの教材内ですべて行うことができます。 - 学習時間を短縮できる「情報Ⅰデジタルドリル」を使えば情報Ⅰの問題を最短10時間で学習することができます。
教科書の問題を授業時間内ですべて行うことは難しいと思いますが、この教材を活用し、時短できる部分は時短することで、アウトプット問題に時間をかけることができます。 - 先生の負担を軽減できる
授業用スライドも用意しているので、先生が準備をしなくてもスライドをつかえば指導できるようになっています。復習で使用するときも、どこで使用すればいいのか一覧表にしているので、生徒への指示もスムーズに行えます。
プログラミング実践の際に必要なエディターも組み込まれているため、先生方が事前に準備する必要がなく、すぐにプログラミングの実習を行うことができます。 - 導入も簡単
実際に活用する際は、導入前に2・3か月準備期間を取ってもらいます。この教材の扱い方やコンセプトを決め、アカウント登録の用意をしてもらう必要もありますが、それ以外に行うことはほとんどないので、導入にかかる負担は少なく、生徒にログインしてもらえばすぐに学習できます。
擬似言語問題や情報Ⅱについてはこれから対応できるように開発を進めています。また、今後は先生が生徒の学習状況を確認するだけでなく、分析もできるようにしていく予定です。
情報をインプットするだけでなくアウトプットしながら学ぶことで、生徒も楽しく主体的に学ぶことができます。弊社の教材を使ってデジタル時代を生きぬく武器を身に付けてもらえたらと思っています。
気になった方は製品デモもご用意しておりますので、お気軽にご相談ください。