鶴見大学附属中学校・高等学校
神奈川県横浜市鶴見区 共学校 生徒数約950名
「Activaを活用した授業とは」~グループに1台での活用
「ロイロノート(※1)、まだログインできていない人がいるぞ。」授業は、先生のこの言葉でスタートします。
見学をしたのは、中学校1年生の「地理」の授業。担当しているのは社会科の有家慎先生。ロイロノートを活用しながら、知識構成型ジグソー法(※2)によって、「火山と九州の暮らし」を多角的に学んでいきます。
生徒たちは3人1組でタブレット「Activa」を囲むように座ります。ロイロノートで先生から配付された資料を見ながら、各グループの生徒たちは与えられた課題について教科書や資料集を使って調べ学習を行います。
※1:ロイロノート・・・プレゼン作成などが特徴的な、授業支援系アプリ
※2:ジグソー法・・・あるテーマについて複数の視点で書かれた資料をグループに分かれて読み、自分なりに納得できた範囲で説明を作って交換し、交換した知識を統合してテーマ全体の理解を構築したり、テーマに関連する課題を解いたりする活動を通して学ぶ、協調的な学習方法の一つ(大学発教育支援コンソーシアム推進機構ホームページより)
生徒が活動している間は、スクリーンに生徒への活動指示を常に提示。
→「何やればいいかわからない」と聞く生徒は一人もおらず、集中して活動に取り組む。
中学生では、教科書や資料集を使って調べていたが、高校生はインターネットでの検索も可にしているとのこと。
→年次の違いによる情報の取捨選択力に合わせて、生徒の活動レベル(ルール)を設定している。
そして、違うグループのメンバーと新たなチームを組み、各自調べてきたことを共有します。その際に使うのがタブレットです。生徒たちは、先生から配布された資料をグループのメンバーに見せながら、自分の調べてきたことを発表していきます。
共有後は、調べたことをグループとしての意見にするために、ロイロノートを使ってまとめていきます。
作業の途中、タブレットやロイロノートの操作がわからなくなった時は、生徒同士で教え合いながら解決していきます。
「もっとこうしたほうが伝わるのではないか」と意見交換をしながら、発表資料を作成していく。
→調べ学習や意見交換、発表準備を通じて、「論理的思考力」「批判的思考力」を育成。
最後に、各グループの意見をクラス全体で共有します。ロイロノートを使い、全グループのまとめを先生に送り、それらを一斉に前方スクリーンに映し出します。同時に、生徒の手元にあるタブレットにも同じ画像を映し、全員で他のグループのまとめを一緒に見ます。そして、先生が各グループのまとめについて、解説を加えながらポイントを整理することで、生徒たちは内容理解を深めていくのです。
全グループの意見が全体に共有される。内容もそうだが、資料の「見やすさ」についても、
生徒たちはその違いに気づいたようだ。
→プレゼンスキルも身につけていく。
大事なポイントや、良い視点についてはすかさず先生がフォロー。
→生徒たちも新たな視点に気づき、学びが深まる。
今回授業を担当されている有家先生は次のように話をしてくださいました。
「タブレットを導入してから生徒たちの授業を受ける姿勢が変わりました。集中していない生徒は一人もおらず、積極的に授業に参加しています。また今日、初めて生徒にタブレットを持たせながら発表してもらいました。プリントを持っているとどうしても下を向いてしまいがちですが、タブレットを持つことで前を向いて発表するというプレゼンテーションスキルの向上も期待できると考えたからです。」
また、生徒たちの手元にあるタブレットに資料を配信することで、カラーの資料をより鮮明に見せることができるのもタブレットを活用した授業の魅力だと語る有家先生。
「今後はGoogleマップなどを使ったフィールドワークもしてみたいですね」と、まだまだ活用の可能性は拡がりそうです。
次回は高3世界史の授業見学の模様をお伝えします。
(つづく)
タブレット「Activa」活用の成功ポイント
- ジグソー法とICT活用で生徒が「主体的」に授業へ参加
- 生徒同士助け合い、教え合いでタブレットトラブルにも難なく対応
- タブレットを活用することでプレゼンスキルも向上