ICT活用事例校レポート

聖園女学院中学校・高等学校(前編)「ICTツールを活用した英語学習と情報科のPC組み立て授業」

情報科 柴田 俊明先生

2025年10月7日に取材した聖園女学院中学校・高等学校について紹介します。聖園女学院中学校・高等学校では英語科でのICT活用に力を入れています。また、情報科ではPC組み立て授業などの生徒が楽しく学べるような講習も行っています。
前編では情報科の柴田 俊明先生より学校全体や英語科でのICT活用についてと、鹿野直美教頭先生より聖園女学院中学校・高等学校の英語教育で大事にされていることについて伺いました。

まずはじめに、貴校でのICT教育について教えてください。

柴田先生全校生徒と教員全員がiPadを持つようになって今年で9年目になります。電子黒板が通常教室に導入されてからは、5年ほどです。現在は電子黒板にApple TVが設置されており、iPadから内容をワイヤレスで投影できるようになっています。

教員のほぼ全員が授業で使用しており、授業準備や授業中の活用、さらに校務でも利用しています。生徒は授業や部活動の振り返りなどに活用しています。

どのような教科で使用されていますか?

柴田先生社会科では、Keynoteで作成したスライドを用いて、生徒に「自分はどう思うか」を考えさせる時間を増やしています。

家庭科では、AC Flipというアプリを使い、付箋機能を活用して記憶の定着をはかる工夫をしています。
 数学科では、グラフ作成ソフトを用い、生徒が実際に操作しながら学習しています。
 国語科の現代文では、生徒の反応をリアルタイムで板書することが多いですが、古文や漢文では、あらかじめ作成したスライドを用いてテンポよく授業を進めています。作文・読書の授業では、絵画を見せて気づいたことを入力させ、それを分類・整理してスライドにまとめるなど、全員の意見を反映した授業を心がけています。

生徒の意見を集めるツールとしては、Classiのアンケート機能を使用しています。授業中に入力してもらい、回収・分析後、次の授業で結果を還元しています。

この方法により、普段よく手を挙げる生徒以外の意見も拾えるようになり、参加意識が高まっています。

先生と生徒のやり取りについてはいかがでしょうか。

柴田先生教員と生徒のやり取りは、基本的に対面で行い、学校に来ていない場合はClassiのポートフォリオ機能を使っています。

宿題の提供についても、スタディサプリやClassiを活用する教員がいます。授業中の振り返りや課題へのフィードバックもポートフォリオ機能を用いて行い、生徒は自分の学びを記録・振り返ることができます。

貴校は英語科でのICT活用が盛んと伺いました。どのような活用が行われていますか。

柴田先生中学生の英語学習については、洋書多読やオンライン英会話を取り入れています。多読には「e-Station 多読の森」を使用しており、生徒はそれぞれ自分の読書目標を立てて取り組んでいます。進捗状況は教員が遠隔で確認することができます。

夏休みには洋書を1冊読んで英語でブックレポートを作成し、教室内で共有しています。読書活動を通じて英語力を伸ばし、読んだ内容の一部をイラストで表現するなど、多様なアウトプットを促しています。

AI教材「aim@(エイムアット)」を用いた英検対策も行っています。間違えた問題や苦手な問題を抽出して自動で復習問題集を作成してくれるため、効率的な学習が可能です。ライティングの指導にも活用でき、英検5級から準1級まで、それぞれのレベルに合わせた学習ができています。

高校生の発音練習には「Pocket Speaking」を使用し、英語を声に出す習慣づけを行っています。録音機能により、生徒の音声を教員が確認し、発音の良否を評価することもできます。

教科書にはデジタル教科書を導入しており、「Pocket Speaking」と組み合わせることで、発音練習や自己評価を効率的に行うことが可能です。

オンライン英会話では「産経オンライン英会話」を活用しており、全学年がブラウザ上で利用できます。100回受講できるうち、授業中に10回行い、残りの90回は週末や自宅に戻ってから自主的に取り組んでいます。長期休暇中には学習回数を指定し、学んだ単語を小冊子にまとめる課題も出しています。提出された冊子を通して、オンライン英会話での学びの定着を確認するようにしています。

iPad上で様々な種類の洋書を読み、英語を読む力の向上につなげている

授業や自宅で年間計100回のオンライン英会話に取り組む

貴校が導入されている「ダブルディプロマシステム」についても教えてください。

柴田先生本校は「ダブルディプロマシステム」を導入して今年で2年目となります。本校の高校生は23単位を振り替えられるため、7単位をこのシステムで計画的に取得すれば、カナダのオンタリオ・バーチャル・スクール(OVS)の卒業ディプロマと聖園女学院の卒業資格の両方を取得できます。
 これにより、海外大学だけでなく、ICU・上智・早稲田など国内大学の受験資格にもつながります。

このプログラムはオンデマンド形式の講座で、リアルタイムではなく、動画を視聴しながら一つひとつ授業を進めていく形になっています。中には時間制限のある課題や、動画中に実技を行う内容もあります。例えば、ファッションの授業では「紙と定規を準備しましょう」という指示から始まり、実際に作業を行ったりしてオンラインでも楽しく学ぶことができます。

今のお話からも、貴校が英語教育に力を入れていることがよくわかりました。どうして貴校では、このように英語教育に力をいれているのでしょうか。

鹿野教頭先生本校の創立以来の女子教育の柱は、「国際的に、世界のどのステージにおいても自分の良さを発揮できること」、そして「社会貢献につながること」です。その学びの中で、国際教育の基盤となるのが英語教育の充実です。

創立以来、常に研究と改善を重ね、現代の生徒に合った形へと進化させてきました。

ダブルディプロマシステムの導入理由も、海外・国内の進路拡大だけでなく、「学びの可能性を広げる」ことにあります。学び方を学ぶことで自分の探究心を高めていく、このプロセス自体に教育的価値があると考えています。挑戦を重ねながら「学び方を学び、自分の探究心を育てていく」過程にこそ価値があると思います。

英語は単なる会話の道具ではなく、海外の文化や考え方を理解し、共に何かを創り上げるためのコミュニケーション手段として位置づけています。今後もそのような視点から、実践的で国際的な英語教育を進めていきたいと考えています。

インタビュー後編では、情報科の授業やPC組み立て講座について伺いました。(後編に続く)

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