具体的な制度の内容
1.必履修科目の「統合」と「組み替え」が可能に
現在、次期学習指導要領の検討では、これまで別々に履修しなければならなかった必履修科目と選択科目、あるいは学校設定科目などを、学校の判断で柔軟に「組み替え」や「統合」できるようにする方向で議論が進められています。具体的には、次のようなイメージが示されています。
〈基礎科目と発展科目の統合〉
- 必履修科目と選択科目を一つのまとまりとして編成し、複数年にわたって計画的に学ぶ。
例:「化学基礎」と「化学」を一つの科目として、2年間にわたって計画的に学ぶ。 - 選択科目の中で必履修内容を扱う。
例:「数学Ⅱ」の授業の中で、「数学Ⅰ」の必履修内容の一部を一体的に学ぶ。 - 探究科目や学校設定科目との融合。
例:「データサイエンス」などの学校設定科目の中で、必履修である「情報Ⅰ」の内容を学習する。
このような制度が実現すれば、「基礎科目をすべて終えてからでなければ探究的な学びに進めない」といった制約が緩和され、学校の教育目標や生徒の実態に応じた、より柔軟でダイナミックなカリキュラム編成が可能になることが期待されています。
2.単位認定が「半年」単位で可能に(単位の細分化)
現在、高校では、1単位=週1コマを1年間(標準35単位時間)履修することを基本とし、卒業には74単位以上の修得が必要です。また、週当たり30単位時間を標準とする考え方が示されていることから、多くの学校では卒業要件である74単位を上回る教育課程が編成されています。
これに対し、現在の議論では、学習量は変えずに単位の数え方を細分化し、例えば現在の74単位を148単位として扱う仕組みが検討されています。これにより、半期ごとの単位認定がしやすくなることが期待されています。また、週当たり授業時数の標準の示し方についても見直す方向で議論されており、学校がより柔軟に教育課程を編成できるようになる見通しです。
〈細分化によって期待されるメリット〉
- 半期ごとの単位認定がしやすくなる
現行制度では、前期だけで単位認定を行うには週2コマ以上の授業が必要になるなど、時間割編成に制約がありました。単位を細分化することで、学期ごとの単位認定や科目の完結がより柔軟に行える可能性があります。 - よりきめ細かな「増単・減単」が可能になる
例えば、現在標準3単位の「数学Ⅰ」は、減単する場合には2単位にするしかなく、学習量は3分の1減となります。
一方、細分化後に標準6単位として扱えば、5単位にするなど、より細かな単位調整が可能となり、生徒の習熟度や学校の教育課程に応じた柔軟な設計が期待されています。
さらに、これらの考え方は、現在は減単の対象外である標準2単位の必履修科目にも適用できるよう検討されています。細分化後の「1新単位(2現単位の1/4)」の範囲で減単を認める方向で議論が進められており、より柔軟な教育課程の編成が可能になることが期待されています。
3.「学校設定科目」の拡充
単位の細分化とあわせて、学校独自の科目設定に関する制度の見直し(上限の拡大)も議論されています。
現在、卒業単位として認められる学校設定科目には20単位という上限があります。これについても、普通科では28単位程度、専門学科等では36単位程度まで拡大する案が示されており、学校独自の特色ある教育課程を編成しやすくすることが期待されています。
4.スキルを持つ生徒の「履修免除・振り替え」制度
多様な学習ニーズに対応するため、すでに高い学力や技能を身に付けている生徒については、必履修科目の履修を免除し、より高度な学習へ振り替える制度も検討されています。
具体的には、高度な英語資格(CEFR B2相当など)を有する生徒については、基礎的な英語科目の履修を免除し、より発展的な英語科目や学校設定科目、あるいは大学等での学修へ振り替えることが考えられています。
現時点では制度の詳細は決まっていませんが、文部科学省の資料では、外国語や数学などでの活用例が示されており、生徒一人ひとりの学習到達度に応じた、より柔軟な教育課程の実現を目指す方向性が示されています。


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