私学マネジメント協会 会員誌
FORWARD No.80
学校の人的資本経営
《FORWARD No.80 コンテンツ》
昨年(2022年)6月号(74号)の本誌では、従来の“履修主義”から“修得主義”の学校システムへの変革を提案する記事を掲載した。日本の学校教育が「生徒主体」に転換するためには、学校全体の教育システム自体の変革が不可欠と考え、高度成長期を支えた履修主義の限界、自己成長支援を基軸とする修得主義の考え方や新学校システム構想をお伝えしたかったからである。
中でも最重要かつ、最も困難な課題としてあげたのが「教師の意識・行動変革」。つまり、人の領域だ。本稿では、この人事面の取り組み、特に多くの管理職の先生方から相談(嘆き?)いただく「採用」と「育成」に主に焦点を当て、「教師主体から生徒主体へ」のパラダイム転換を人事面から加速するための取り組みを考え、提起したい。
日本女子大学は、言わずと知れた伝統校です。家政学部、文学部、のほか、私立女子大学で唯一の理学部、日本初の人間社会学部があります。2022 年の創立 120 周年を機に、新たな学部として誕生したのが、今回訪問した「国際文化学部」です。
ホームページの学部長メッセージによると、国際文化学部は、国境やジェンダー格差といった「境界」だけではなく、私たち自身の心の内にある「境界」(=「当たり前」だという思い込み)を越えていく「越境力」を育んでいきます。
とあります。
ひときわ目を引く、「越境力」というワードに惹かれ、取材を申し込みました。
静岡県沼津市にある私立の加藤学園高等学校は、1926(大正14)年の創立以来、建学の精神である校訓「まごころを尽くす•••至誠」を普遍の教育理念としています。徳育・知育・体育の調和が取れた人間を育成することを目標として、21 世紀の社会のニーズに応えるためにさらなる教育の飛躍と充実に努めています。長年続けてきた特進部・進学部・総合学部の3部制を改め、2022 年度からα特進コース・特進コース・進学コース・総合コースの4コース制に移行しました。特進コースの体験型学習(アドバンスプラス)や、進学コースのアジアカルチャー専攻、総合コースのリベラルアーツ専攻・データ&サイエンス専攻・ライフデザイン専攻など、生徒個々の進路目標を実現するための先進的な取り組みは、どんな背景をもって導入されたのか、授業内容と合わせて入試広報部長の白嶋卓先生にお話を伺いました。
プログラミング教育の必修化が小・中・高の各段階で進行し、情報Ⅰが共通テストで出題される。そんな中、プログラミング教育の本質を見失わないことが求められている。今回は、小学生・中学生・高校生向けのオンラインプログラミングスクール『Codeland』の運営を手掛けている、株式会社プロキッズCEOの原 正幸氏に、オンラインプログラミングサービス『Codeland』と今後ますます注目が集まるプログラミング教育についてお話を伺った。
第2回 1対1の教師の関わり(メンタリング)
第2回では、「教師が学び合う学校組織」を実現するために、1対1の教師の関わり(メンタリング)についてお話いたします。まず、メンタリングの考え方を説明し、それをふまえて具体的なメンタリングの方法について紹介いたします。
(横浜国立大学教職大学院 准教授 脇本健弘)
2023 年入試総括とこれからの私学経営ビジョン
~新しい中高一貫教育を考える~
2023年3月に日能研関西とコアネットの共催で行いました私学経営セミナー。今年で10年目の開催となった本セミナーは、首都圏入試と関西圏入試のトピックスを紹介するとともに、これからの時代に求められる私学像について、熱い議論を交わす会となっています。
今年の一大トピックは、関西圏での中学受験率が10%を超えたことでした。ですが、登壇された日能研関西の森永氏は、「人口増加が見込めない関西においては、数年で中学受験率15%を達成しなければ、大変なことが起こる。中学受験率15%を、ぜひ皆さんと一緒に実現しましょう」と訴えました。関西での中学受験率向上のために、何が必要か。首都圏で人気となっている学校の教育の中身や見せ方などを紹介しながら、会場に参加された関西私学の先生方と考える会となりました。
会員誌『FORWARD』とは
私学マネジメント協会では、私学経営という視点に特化して編集した会員誌『FORWARD』を年6回発行しています。
私学が直面する課題やニーズに対応したテーマを設定し、学校経営に役立つ情報を厳選してお届けします。
●主なコンテンツ●
Focus (特集記事)
コアネット教育総合研究所の研究員が、私学経営における課題やニーズに対応したテーマについて、独自の視点で論述します。
未来を創る注目の大学Selection
最新の教育や新しい取り組みをしている大学・学部を取材し、大学教育の「いま」をお届けします。
New Education Topics
先進的な教育や新しい取り組みをしている会員校を取材し、自校の取り組みにおいて参考になる内容をご紹介します。
Catch Eye
教育に関する最新トレンドを発信している企業・団体を取材し、新しい視点をお伝えします。
Article
注目されている教育内容について、教育専門家による学術論文を掲載しています。
Seminar Report
年度中に開催している私学マネジメント定例セミナーや、私学経営セミナーの講演内容をお伝えします。
学校マネジメント日和
コアネット教育総合研究所所長 松原による、学校マネジメントに関するコラム記事です。
バックナンバーはお一人様1回限り、無料でお届けします。
詳しくは私学マネジメント協会までお問い合わせください。