Core-ism! 1号 入学者・非入学者アンケート調査

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    第1号(2014年11月発行)清水葉子のism

     

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    自校に入学した受験生と入学しなかった受験生の双方の声を聞いて比較することで、入学/非入学の“決め手”となる広報ポイントを発見する!

     

     

    受験生を自校の受験・入学に結びつけるには? 広報活動における4段階

    私立中学校の広報段階には主に4段階あります。
    第1段階はまず学校名、学校の存在を知ってもらうこと。
    第2段階はその学校の特徴やおおまかな情報を知ってもらうこと。
    第3段階は実際に来てより細かい情報や雰囲気を感じてもらうこと。
    そして最終段階となる第4段階は、受験、さらには入学を決意してもらうことです。

     

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    生徒募集上、どの段階もとても大切ではありますが、第3段階まで誘導できても、第4段階に結びつかなければ、広報活動の目的は達成されないことになります。

     

    実際に何が、入学/非入学の決め手に なったのか? に注目する

    説明会で十分に惹きつけることができている学校の説明会アンケートには、「迷っていましたが、今回の説明を聞いてぜひ入りたいと思いました」などのコメントが散見されます。マーケティング用語で商品が売れたり、成約となることを「クロージング」といいますが、まさにこのクロージングが上手にできている状況だと思います。
    では、このクロージングの精度を高めるにはどうすれば良いのでしょうか。それにはまず、現状を把握し、何がクロージングに結びついているかを明らかにする必要があります。

    先に申し上げた第3段階とは、学校に来校している状態を指します。学校説明会や体験イベントなどで来校し、資料を受け取って読む、学校の説明を聞く、先生や在校生と直接話す、授業を見学する、校舎を見る。受験生や保護者はこれらの目や耳から入って来る多くの情報を整理し、その学校を受験するかどうかを決定します。来校して得られる情報は多いため、そのうちのどれが決め手となったのか、もしくはならなかったのかを把握することで、広報活動の改善点が見えてきます。

    弊社が行っている「入学者・非入学者アンケート」は、まさにこのチェックを目的とした調査です。
    入学者=貴校を受験して合格し入学した人と、非入学者=貴校を合格して入学しなかった人および来校はしたものの受験しなかった人を対象にアンケートを実施し、それぞれの集団が何を判断基準としたのか、何を評価し、何を評価しなかったのか、入学者には伝わっていて、非入学者には伝わっていなかった情報は何か、を探っていきます。
    項目の設定の仕方は学校によって変えることができますが、来校したイベントの内容(説明会や体験授業、文化祭)、広報物(学校案内パンフレット、説明会配布資料、ホームページなど)などの評価や、それを通してどんな情報やイメージが伝わったかについても詳細に聞くことをお勧めしています。

    客観的なデータを根拠に広報活動を見直す

    先生方が学校の広報活動に関わる中では、どうしても「自校目線」になってしまうことがあると思うのですが、受験生は大体の場合、たくさんの学校を見て比較する中で、受験校を選びます。こういった調査をすることは、シビアな外からの目線を可視化することになり、私立中学受験マーケットの中での貴校の立ち位置をあぶりだすことになるのです。耳の痛い意見もあるかもしれませんが、改善の糸口を見つけ出すための貴重な資料として、ポジティブに使っていただきたいです。
    少子化が進むこの状況下で、私立中学受験マーケットも大変厳しい状況にあります。だからこそ、貴校に興味を持った受験生および保護者の方達には貴校の情報をわかりやすく伝え、理解してもらうこと、その中で賛同した方々にはぜひ入学したいと思ってもらうことが生徒募集上大変重要になってきます。またそれだ
    けでなく、正しく情報を伝えておくことで、入学後の「こんなはずではなかった」というミスマッチを減らす効果もあります。
    学校と受験生双方にハッピーなクロージング。
    ぜひ意識してみてください。

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